■ 栽培用温室を再生!マスカットの香り漂うガーデンハウス
約18mのマスカット栽培用の温室を、5.4mに縮めて再生して生まれたガーデンハウス。
親の代から受け継いだ温室は、管理が難しくなり解体を検討されていたため、新たな可能性を提案しました。そこで生まれたのが、このガーデンハウスです。
魅力的なこの空間は、庭仕事の合間に休息をしたり、お茶を楽しんだり、お月見をしたり、大切なお客様を迎えるスペースとしても活用されています。
温室の土の上に敷いた白い煉瓦には、木漏れ日が差し込みぶどうの葉の影が美しい模様を作り出します。木製の壁は、白い塗装にひと手間加えることで木目を活かしています。
地窓と天井窓を設けることで自然な風の流れが生まれ、温室ながらも快適な温度を保ちます。床の白煉瓦は通常の煉瓦よりも熱くなりにくいという利点もあります。また、ヨーロッパのワイン畑をイメージした石積みの壁は冬季に蓄熱し、温暖な環境を作ります。ドアにはベンガラに煤を混ぜた塗装を施すことで、空間にアクセントを与えます。
このガーデンハウス内には、無農薬のぶどうが室内に広がり、訪れる人々も贅沢なひとときを楽しんでいます。解体されるはずだった温室は、新しい体験が広がる、ワクワクするような空間へと生まれ変わりました。
Photo:神家建築研究室