■ TY-house
敷地は石岡市(旧八郷町)。
筑波連山の一部である加波山や足尾山の麓に位置し長閑な田園風景に囲まれています。周辺では様々なフルーツ狩りを楽しめるほか、スカイスポーツも盛んな地域であり、敷地からは里山を吹き抜ける心地よい風に舞うパラグライダー等の姿を見る事ができます。
これらの好立地をできるだけ建物の中からも楽しめるように、すべての部屋から山々の風景を眺められる事がお客様からのご要望でした。
建物は奥行き4,550mmで間口が19,565mm。
配置は見たい風景に向かった角度として部屋を横に並べる事で窓からの景色の条件を合わせています。
屋根は切妻の8/10勾配で軒は1,365mm出しています。整列して並ぶハゼや直線の軒先で屋根面を強調し、間口の広い建物のファサードバランスをとるように考えました。屋根の勾配を大きくする事で、部屋の天井高を確保しており、一部は小屋裏収納としても使えるようになっています。
部屋の構成ですが、将来一部を店舗として使う計画がある為、LDと店舗の間にキッチンを挟むように配置し、キッチンは両方の部屋から使えるように計画しています。LDKからは玄関ホールを経由して水回りと2階洋室、主寝室と繋がっています。
南側は主要道路に面する事から開口部を最小限にしていますが、良好な景色が見える北側は浴室も含め外に開いた計画としており、LDKはフルオープンのワイドサッシで部屋に居ながら外の風景を楽しめるようになっています。
敷地の特徴を一番に知っているお客様のご要望を建物に取り入れる事で、周辺の環境を素直に受け入れる事ができ、その場に馴染む建築となりました。
撮影:平林克己