■ ” spread ” 守谷の家
白く塗りひろげた(spread)壁が前後に重なったファサード。
壁のすきまにすいこまれていく。
玄関に入ると明るい吹き抜けの階段スペース。導かれるように2階へ上がると、広く視界がひらけます(spread)
南に面した大きな開口、その先のデッキスペース、その先の空・・・。ゆったりと過ごせるLDKがそこにあります。
キッチンは贅沢に外を眺めるスタイル。キッチンの並びに、ダイニングを配置して、家事動線と家族との距離は最短に。背面の冷蔵庫脇に2畳のパントリーもあり、重宝します。
また、LDKの一面は壁いっぱいの収納。TV台を兼ねて、隠す収納と見せる収納がバランスよく配され、本棚もしっかり。家族共有のライブラリーです。
2階には、水回りもあり日中の暮らしはなるべく2階だけで完結。
1階は、中央に配したファミリークローゼットのまわりを回遊できる動線になっています。
各個室のプライバシーを確保しながらも、回遊できる廊下を通じて家族の気配を感じられます。1階の各個室も南に面していて明るく、廊下から個室に入った時もひらける(spread)感覚があります。
建築用語に「シークエンス」という言葉があり移動にともなってシーンが展開する...という意味で使われています。
トンネルを抜けると、視界がぱっとひらけるそんな展開もその一例。
「シークエンス」が豊かだと何気ない暮らしの動作の中にも、感覚や気持ちに彩りを添えてくれます。
「あっ、ここ好きだな」そんな住まいへの愛着がじんわり蓄積されていくように考えています。
この住まいも「シークエンス」がとても豊か。外観からは想像の出来ない住まい手だけが楽しめる特別な仕掛けがつまった住まいです。
撮影:西川公朗