■ 光と緑があふれる事務所併用住宅
斜面に沿った、市街地に向けて開放された高台という立地を活かし、大きな窓を設けることで窓越しに遠くの景色を臨むことができます。
もとは擁壁により道路から1段高い土地を、
掘り下げて内部をスキップフロアにすることで外観の圧迫感を緩和
させました。
建物に使用された素材感や外に開けた形状によって、
点在する植栽とも調和がとれています。
道路側に深く設けられた屋根は建物のアクセントになっており、
建物の外壁が雨から守られることに加え、
建物内部に向けられる外部からの視線を遮る役割も担っています。
屋根は三本の鉄柱によって支えられているため浮遊感を持った印象
になり、夜はその隙間から内部の照明の灯かりが漏れ、
昼間とは違った表情を見せます。
縦長の窓は1、
2階にわたって連続しているように見えるので南側の建物の顔にな
っています。
内部に照明が点くことで外からも2階の化粧梁が見え、
外部に向けて建物の意匠性が露わになるが、屋根や外部の壁、
植栽によって外部からの視線を遮っているので、
内部のプライバシーは確保されています。
アプローチ部分は植栽や建物の化粧梁によって、
住宅密集地にありながら、
囲われたやすらぎを感じる場を形成。
上部の吹き抜けからは柔らかい日差しが差し込みます。
アプローチ部の天井も、屋根のような化粧梁をあらわしにすることで、どこにいても木の屋根を近くに感じることができる感覚になります。
2階にLDKを設置し、外部の景色を取り込む大きな窓によって明るく開放的な空間となりました。
天井に使用した梁を外部まで延長する形状としているので外と中の境界が曖昧になり、建物内部により開放感を与えています。
外部の吹き抜けを通して、アプローチに設置した植栽を見ることができるので、2階にいながら中庭を感じる、空中庭園のような印象にもなりました。