• 物件

池田久司建築設計事務所

クライアントとっては当たり前の価値観を大切にしつつ、与えられた環境に適応した合理的で無駄のない計画を提案し、世界でただ一つのユニークな住まいを一緒に悩み、喜び、楽しみながらつくり上げていきます。


住所: 大阪府茨木市大手町9-29大手ビル301

E-mail :info@ikd-a.com
URL : https://ikd-a.com/

作品集

物件

■ 石橋のY邸

高さの工夫で伸びやかな空間を持つ住宅

 

石橋のY邸では無駄のない平面計画と多様な断面操作によって住宅密集地でも、豊かな住環境をつくることを試みました。住宅としての使いやすい間取りをデザインし、各室の天井形態や仕上げ、建具の構成、開口部の取り方、額縁の有無、大壁と真壁の使い分けなど、それぞれの空間が異なる「つくり」を持つよう繊細な操作を施しています。

例えば、土間と引戸で仕切られた寝室は日本的なつくり、主寝室は小さな入口と宝形型の天井をもつ袋のようなつくり、高い天井をもちハイサイドライトから空が見えるLDKはそのおおらかさから住宅内の広場のようなつくりとしています。「つくり」の異なる空間を行き来することは体験的な奥行きにつながります。

住宅でも高い天井や土間などいろいろな空間を組み合わせることによって、実際の面積以上に広く感じることのできる住宅となりました。ちょっとした段差や屋根裏に収納を設けることで、空間を無駄なく使える工夫も随所に施してあります。

 

PHOTO:髙橋 菜生

■ 香里園のH邸

屋内外に心地よい居場所を散りばめた住宅 大阪郊外の住宅地...

■ 厚木の家

田園風景に溶け込むプリミティブな平屋 田畑と宅地が入り交...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 面積以上の役割を 変幻自在の土間空間

『石橋のY邸』は敷地の条件上、駐車場を設けると庭をとるのは難しい環境でした。しかし、家の中に自分たち専用の「外」があるのは生活が豊かになる重要なポイントです。それを叶えるために設計したのが、屋上のテラスと様々な役割を併せ持つ広々とした土間です。
一般的に玄関と廊下は閉鎖的な移動のための空間になりがちです。ここでは、たたきと廊下という当たり前とされている玄関の形ではなく、廊下のない広い土間空間を設けました。
明るい光がさしこみ、引き戸を開放するとフローリングの子供部屋と一体化して、室内でも外を感じながら過ごすことができます。土間と子供部屋の段差は、土間を通路ではなく居場所として使えるように腰掛けやすい高さにしました。段差の部分には引き出し収納も仕込んでいます。
土間空間は屋内ですが、床がフローリングではなくモルタル仕上げなので、キャンプ用品の手入れなど外のようなラフな使い方も可能です。
今は外とつながる場ですが、将来的に個室が必要になった際には、子ども部屋の引き戸を固定壁に変更して対応することも可能です。

PHOTO:髙橋 菜生