■ 見せて採りこんでなじませる デザインと暖房器具の共存
北海道の生活で不可欠な暖房器具を、隠すのではなくあえて見せながら、デザインの中に溶け込ませていった住宅です。
暖房設備を表に出さない設計ももちろん行いますが、露出している状態のほうが空間を暖める上で効率的ではあります。そこで暖房器具メーカーの担当者にも設計段階から加わってもらい、計算しながら、デザイン的に美しく、効率的に暖かく過ごせる家づくりを行いました。
パネルヒーターは縦ラインで長方形のものをメインに選択し、建具の形や、格子のデザインなどもパネルと同じく長方形で縦のラインが強調されるよう設計しました。
1枚目の写真のように建具とパネルヒーターが3連の長方形として並ぶようなデザインになっています。2枚目も同じように縦ラインで揃えた建具とパネルです。
また、横ラインのパネルヒーターを設置した窓辺には同じく横に長いベンチを設けて、設置場所兼憩いの場として横ラインで揃えた設計としました。
このようにデザインの中にラインを整理して溶け込ませつつ、露出しているパネルならではの使い方として、フック(取り外し可能)を取付けて、衣類などをかけられるようにしています。湿った衣類やタオルをかけるなど上手に活用されています。
PHOTO:佐々木育弥