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過去に何度も増改築を重ねてきた木造住宅の改修工事です。住宅の背後には森があり夏場でも涼しい風が森から吹き下り、住居や庭へと風が流れる敷地となっています。本計画では既存住宅の骨格を残しながら一部増築をし、長年住み継がれてきた家を、今の家族に合った形に作り変えました。
既存の庭には大きな桜の木や紅葉、梅の木などがあったのですが元々はそれらの緑に対して住宅が閉じる構成になっていました。その既存庭を「見せる庭」として整え、庭に面して大きな開口部を取り、暮らしの中で自然や季節との密接な関係性が生まれるように設計をしています。
一階の元々リビングダイニングだった場所は床面積を広げ、屋根も新しくかけ替えました。桜の大木や紅葉の枝葉がリビングから望めるよう開放的な開口を配置し、四季折々の自然を感じながら家族が団らんできる場所を庭に面して作っています。元々は来客用の玄関だった場所は緑を間近に感じることができる明るいキッチンとし、さらにその横にはピアノの演奏用の防音室を配置しています。洗面室、家事室、倉庫、水屋などの機能は既存の位置から大きく動かすことなく一か所にまとめ、それらが行き止まりとなることなく動線が流れるように計画しています。二階はお子さんの成長に合わせ子供室3 部屋を個室として設け、天井を屋根形状に合わせて上げると共にトップライトから光を入れることで小空間ながらも広さが感じられるように計画しました。　Photos by Akira Nakamura