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■ 小矢部の家

深い森に佇んでいたかのような以前の住宅、その空間が持っていた静謐さや情緒さを継承するような住宅となることをイメージしながら設計しました。外と繋がる窓辺を居心地いい居場所になるように、開口部や窓台に工夫をしました。

■ 上質な空間をつくる配置とディテール

この住まいは、敷地や方位を最大限に活かし、「和」の雰囲気を取り入れながら、光と影のバランスで空間の質感を高めています。
住まいには2つの庭があり、1つはリビングとキッチンの間に中庭として設け、奥行きを抑えたスリムな設計にすることで、上から光を絞って取り込みます。
天井の高さを変えることで陰影を作りだし、空間の質感を変えています。
光を受けることで美しい陰影を生まれるよう、壁は凹凸のある素材、床には石のような質感のものを採用。また、開口部の障子が直射日光を柔らかな光に変えて、室内全体を柔らかい光で包み込むような穏やかで上質な雰囲気を作り上げています。
さらに、ダイニングとリビングの配置を少しずらすことで、床に奥行きが生まれ、実際よりも広く感じます。
住まいの中に設けたトップライトからは、時間ごとに変化する光の入り方を楽しめます。日常の中でふと空を見上げる場所や時間を大切にしてほしい…という思いも込めています。
「将来、お花の教室ができたら…」という奥様の思いにも応え、ライフスタイルにも配慮した上質な空間となりました。