■ 木の無垢感を楽しむ玄関 ー隠しワザ満載のシンプル空間ー
『OMproject』は重厚感ということが1つのテーマとなった住宅でした。
その中でも玄関は、質感にこだわりながらシンプルな空間に仕上げたい、それが施主の方のご希望でした。
様々な素材を検討し、無垢の木の持つ節や木目などを活かすことで、存在感のある玄関を構成すると同時に、空間をとことんシンプルにしていく設計が必要でした。ドアノブや照明器具が出っ張っているのは施主の好みではなかったので、ドアも同素材で枠を壁内に収めた内開きというあまり他では見ない設計としました。ノブ部分もフラットなものを選択しています。現地でも、押してみて初めて気づくほど目立ちません。
写真で見ていただくとわかるように、壁とドアの木目がきれいに連続しているのですが、これは一枚の板をカットしてナンバリングして現地で貼っていくという、造作家具、建具、内装の職人の方々の作業あってこその仕上がりです。
加えて床から光る間接照明を設計し、消灯時にはほとんど存在を感じない形としました。フローリングも壁面のコーナーと角度を合わせてななめにカットしてつなぐなど細部までこだわっています。
このようにして木の質感を楽しめる、一見シンプルながら豊かな玄関となりました。