白浜町の家

作品紹介

眼下に太平洋を見下ろす優れた眺望をもつ週末住宅(母屋+離れ)である。

かつてこの場には貸しコテージとして利用されていた分棟型の建物が幾つか建っており、そのままの状態で利用していた。しかし、家族で利用するには不便なものであったため、それらを取り壊し建て替える事を決めた。

 

敷地内は既存の樹木があり、地面には高低差があるため、海への眺望を求めつつできるだけ平らでひらけた場所に建てようと考えると、敷地面積の割には建物を建てることができる範囲は限られていた。その限られた範囲に地を這うように母屋を計画した。室内は敷地内の高低差をそのまま取り込み、玄関から奥に進むに従いフロアレベルが変化していく。屋根の高さは一定であるため、プライベート度の高い奥の主寝室に向かっていくに従って天井高さが抑えられ、落ち着きをもたすようにしている。また、かつての記憶を残した場所で食事をとりたいとのクライアントの意向のもと既存の建物が載っていた鉄骨を一部残し、上部に食事の場である小さな離れとデッキを計画した。

 

目の前に海が広がるという、決して変わることのない風景をもつこの住宅では、都市の中では実現できない風景や周辺環境との関わり方をより単純に考え構築していった。

 

PHOTO: 笹の倉舎   担当 笹倉 洋平

作品データ

所在地: 和歌山県 西牟婁郡

施工会社: 株式会社 後工務店

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