house YK

作品紹介

―滲むホワイトキューブ-

 

土地建物を購入直後、転勤で東京を離れることになったご家族の住まい。
東京に戻るまでに、理想の新築の住まいをじっくり作り込むことにしました。
ご夫婦が大切にしたことは、
・お庭や外部を取り込めること、
・室内にいながら、朝日を浴びれること、
・すっきりとした空間だけれど、ホワイトキューブのような冷たさがないこと、
・家族の個室を確保すること、
でした。 

そこで、滲みをコンセプトにして、3つの観点から木造三層の住まいを構成しました。

 

1つ目は細長い土間空間です。内外と使い方が滲みます。
一階エントランスから奥の庭までを繋ぐ、うなぎの寝所のような土間空間。
お庭からの光を取り込む内部空間は、外部の延長ように多目的に活用されます。将来はギャラリーや奥様のショップにするなど、多様な使われ方と普遍的な生活が滲みあっていきます。
また、玄関に沿うように一階に水廻りをまとめました。

 

2つ目は二つの吹き抜けです。家族の気配と光が滲みます。
造作のステンレスキッチンを中心にした視線の抜ける LDKの二階と寝室フロアの三階を繋ぐ二つの吹き抜け。
大きな吹き抜け一つでダイレクトに階を繋ぐのではなく、大小2つの吹き抜けを千鳥状に配置し、上下階の家族の気配が滲む吹き抜けにしました。太陽の光も、これらの吹抜けのトップライトから浴びれます。白く光沢のあるクロスにすることで、日の光とフローリングの相互反射が室内にうつろっていきます。

 

3つ目は壁の高いバルコニーです。空が住まいに滲みます。
二階LDKに面した外壁の高さを確保したバルコニー。
プライベート性の強い庭になりつつ、空まで吹き抜けていきます。
またバルコニーには離れの様な書斎を設けました。リビングの音は聞こえないけどガラス戸から、リビングを眺めることができ、仕事中でも家族の気配が感じられます。

 

白い仕上げですっきりしながらも、太陽や家族の気配が滲むことで、どこか温もりのある、明るくて優しい住まいができました。

 

PHOTO: Lenz Design

作品データ

土地面積: 79.98㎡

延床面積: 109.6㎡

作品集

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