所在地: 大阪府
延床面積: 62㎡
大阪の繁華街から少し離れた地域にある分譲マンションの改修計画。新婚の施主夫婦はともにこの界隈で生まれ育った所謂地元民同士。
新居から徒歩圏内にお互いの実家があり、頻繁に行き来することが予想され、そこには各々一人になれる個室が残り、1住宅で全てが完結しない母屋と離れのような住まい方がイメージされた。そこで、実家にはない広い空間と日常の雑多な物を押し込んで隠すスペースをつくり、親兄弟や地元の友人が気軽に集えるようにし、同時にその中でも新婚夫婦が居場所の位置づけを自分たちで行っていけるような新しい住まいをつくれないかと考えた。空間構成においてまるで存在しないように扱われるこれらの要素を集約・統合し、大きな柱型/梁型をつくり、価値の転換を試みた。
柱型/梁型は住戸内の広さを最大化し、大量の物と設備を内包しながら、襞となって立体的に広がりやくびれを持った居住空間をつくり、住まい手のよりしろ・家具を置くきっかけとなる。そこにレンガ積みのタフなキッチンボックスや、清潔で明るい水回りボリュームを配置して住戸内を構成している。これらの自立したオブジェクトは建築に従属する単なる内装・仕上げではなく、より人との距離感が近い、居心地や安心感をもたらす存在として住まいを彩る。
用途:専用住戸
Photo:長谷川健太
所在地: 大阪府
延床面積: 62㎡