所在地: 北海道 札幌市西区
作品紹介
札幌市西区に建つこの住宅は3方道路に囲まれ、うち1方は大きな幹線道路に面しています。
敷地は既存の間知ブロックで雛壇状に造成されていました。
クライアントからの要望は、外壁に木を用いること。
プライバシーを重視した空間でした。
そこで、用意したものは静かな光で満たされた優しい空間と時間、時間と共に年をとって愛され、風景に馴染む外観を目指しました。
敷地一杯に大きな木の四角い黒い箱を被い被せ、互い違いに3つの穴(庭)をくりぬき、そこへ各主要な部屋をそれぞれ配置しました。
このくりぬかれた断面は外観と異なり、白染色した木の板張りが部屋の内部へ光をやさしく拡散させ、生活に潤いと安らぎを与えることとなります。
部屋からはそれぞれ異なった穴(庭)が用意されることで自然を常に意識し五感の一部を働かせることとなります。
外壁の板張りはクライアントと、その家族らが塗りました。
ですから2度塗りをしたにも関わらずムラがあります。
しかし、このムラはあたかも年月を少し積み重ねた表情となり、結果とても魅力的な表情となりました。
役者(クライアント)がとったアドリブが設計者の目論見とは異なったことで、むしろ豊かなイマジネーションが広がる結果となりました。
役者(クライアント)がとるアドリブがこの建物をより豊かにすることを今後も期待する。
PHOTO: Takashi Oosugi