所在地: 東京都 町田市
作品紹介
家庭としての生活の場でありつつ仕事も行う。そして、将来的に賃貸する可能性も考慮しながら計画したこの空間は、その場所が持つ特性をより純粋に楽しめる事を目指している。そうすることで、気候や季節、天気や時間など外部の変化に応じて内部空間の状況も変化し、多様な表情を与えることができ、使う人の変化に場所を呼応させることができる。
階高が低く、梁せいの高い躯体が内部空間に負荷をかけていた為、梁を飲み込むように一枚の大きな壁面で空間を切り分け、その壁に収納やトイレ、手洗いなど住まいにおける重要な機能を持たせている。
住まいに必要な機能を不利な環境と合わせて場所に価値を持たせることで、それ以外の場所が自由になり変化を許容する住まいが実現できた。
既存プランは、典型的な南側信仰の計画であり、豊かな公園に面した眺望の良いこの場所では適していなかったが、状況を整理し環境に呼応した必然を探すことで、この住まいは生まれている。
Photo : 矢野 紀行