SEASIDE HOUSE

作品紹介

青い海と空に映える真っ白な別荘を建てたい、そんなクライアントの一言でプロジェクトは始まりました。

相模湾に面した海岸沿い。土地探しから着手したものの、この地域の海沿いはすでに多くの住宅、別荘、商業施設などで埋まっており、しばらくは土地も見当たりませんでした。

数ヶ月経ち、諦めかけていた時に漁業組合の跡地が空いたとの連絡を受け、運にも恵まれて計画が始まりました。

一番の要望であった2階のリビングから海が見える窓を最大限に取りたいという思いを叶えるために、鉄筋コンクリート造の薄肉ラーメン構造を採用し10mのパノラマビューを実現しました。

海が近いというロケーションは絶景や感動という良い面だけでなく、高潮、塩害、砂埃、海しぶきなど過酷な環境への対策も必要です。例えば、沿岸部のため耐久性を考慮して鉄骨造ではなくRC造という選択をしたのもその理由の一つです。設計中だけではなく工事が始まってからも、クライアントと足しげく現場に通い、現地の状況を見ながら様々な対策に努めました。

別荘と居宅で大きく異なるのは、非日常の設えです。柱のない螺旋階段、眩いほどの白い外壁、ガラス張りのファサード、間接照明主体のライティングなど、空間構成、素材、採光、照明など普段過ごす空間との切り替えが重要になります。

今もクライアントから別荘で過ごす日々の話を聞くと、別荘と居宅の2拠点があることで日常生活がより豊かなものになっているのだと気づかされます。

 

PHOTO: 太田拓実

作品データ

所在地: 神奈川県

延床面積: 297㎡

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