17月の住居

  • 南側(写真左)擁壁の間知石が入り込んでいる部分を斜面状に左官し、その頂部を植栽スペースにした。

作品紹介

大阪の郊外、枚方市に「東香里」という住宅街がある。
起伏に富んだ街並みで、それぞれの敷地が特徴的な形状を持ちながら、家が連なり、街が形成されている。

建主は、東香里の丘の頂部にある敷地を、住宅を建てるために購入し、私に連絡をくれた。
敷地を歩くと、前面道路から奥に向かうほど、段々と北側に飛び出していく、個性的な平面形状だった。そして、南側の隣地は、当該敷地より標高が高い上に、背の高い建物が建っていて、本敷地への採光に工夫が必要であった。さらに、隣地の擁壁に被さっている間知石が、建主の敷地内に入り込んでいた為、それらを建築的に処理する表現が求められた。

 

建主は単身。
生活の中で他の人に気を遣う必要もなければ、内部建具の必要性も少なく、生活空間を大きなワンルームで構築することができる。
されど、友人を招き食事もするパブリックエリアと、睡眠や入浴をするプライベートエリアは、少し離したいという気持ちも存在する。
南側隣地の標高が高かったこともあり、中庭をスリット状の平面形状にし、住宅内外に光を届けるバイパスとして機能させ、先の住要素を緩やかに繋ぐことを試みた。

 

PHOTO: 山田圭司郎 YFT

作品データ

所在地: 大阪府 枚方市

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