■ 伏古の屋根裏
札幌市に50年前に新築されたこの住宅は35年程前に一度改修さ...作品紹介
栗山町の老舗の花屋の建て替えの計画である。
町の主要な道路である中央通に面し南大通りとの交差点が近く商店街からは多少離れているものの役場や小学校が近く比較的人通りが多い場所である。
隣地にはクライアントの住宅が北側に二軒建ち並んでおりその連続で店舗は存在する。小売販売だけではなく冠婚葬祭等の花のアレンジメントの製作も行う為、広い作業場を求められた。
平面計画は作業場の配置からスタートした。木造かつプレカットで可能な範囲の梁せいで取れる7m×8mの1層の無柱空間を道路面から奥になる東側に配置し、西の道路側に残りの売場とアレンジメント教室や売場の一部となる様な多目的スペースを設けた2層の建物としている。
半階上がった階段踊場にも売場スペースを設け2階への空間の連続性を保ちつつ、北西部分に隅切られた2層に及ぶ壁に開口を設ける事で街の中心部である北西側に向けてのショーウィンドウとなる。売場部分は土壁や無垢材を利用した什器を用いてオーセンティックな内装としつつも曲線を使った什器を併用する事で変化を与えている。壁は白を基調とし花や植栽のキャンバスとなる。
主要な道路に面した北側の一部と西側の外壁は左官仕上げの外壁とし窓やポーチ部分を家形で施したアイコニックなファサードを形成している。「看板建築」は一部のファサードが看板の様に性格づけられている建築物である。この店舗も同様なファサード形態ではあるが、内部にも同様な家形を施した開口を設けることで内と外の連続性を確保しその範囲を拡張する様試みた。
PHOTO: 佐々木育弥