斜め格子の農家住宅

作品紹介

-築150年の古民家の再生-

大阪府高槻市に150年以上もの間、建ち続けている民家がある。
明治から昭和初期にかけては、主に米作を営む農家住宅であった。戦後、住人は都市に職をもち第2種兼業農家となる。
社会の変化、生活の変化に伴い、職住分離、食寝分離、公と私の分離が推進され、いわゆるnLDK型住宅へと変貌する。建築は、用途に応じ内壁により細分化され、日照や通風の確保も難しくなっていた。
そこで、本来の農家住宅がもっていたフレキシビリティ、周辺環境とのグラデーショナルなつながりを取り戻すべく、空間を細分化させている内壁を取り払い、開閉可能な建具により分節される田の字プランと外周に走る縁側、通り土間により建築を再構成する。
その反面、内壁がなくなることによって、構造耐力を減少させてしまうことに対して、建築の外周を取り囲むように筋交い状の斜材を縦格子のように幾重にも並べ立てることで十分な強度を確保する。斜め格子は建築空間を耐力壁という考えから解放することによりフレキシブルにし、周辺環境とゆるやかに繋ぎ、加えて、古来から存在していたかのような民家に馴染んだ意匠性も伴う。
この建築が経た150年の歴史的変遷の流れをうけとめ、その中で蓄えた過剰な設えをそぎ落とし、農家住宅が本来もっている空間の豊かさ、生活の自由度を顕在化させ、現代的な生活像を織り込み、未来へと建物の物語を紡ぎ出していく。

 

作品データ

所在地: 大阪府 高槻市

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