所在地: 千葉県 松戸市
作品紹介
このプロジェクトは、こちらの家で育って巣立った方が、今度は家主となって住み継ぐための改修計画でした。
数年前お施主さんは、先代の物の整理と並行して、ここを拠点とする構想を始めました。
1階を新たな拠点、2階は今までこの家に在った大量の蔵書を保管する空間として使いたい。
今までの物と新たな物が階別に共存するというご要望を頂き、それを起点として設計打合せを重ねました。
大幅に手をいれる事になる1階は、
住み継ぐための機能(構造・断熱・使い勝手)を補強し刷新し、既存の素材も活かした空間になる事を計画しました。
書庫と予備室となる2階は、床の合板補強、東西南北の適所に合板による耐震壁補強、換気扇の新規取付の、最小限の性能補強を行いました。
1階の新たな拠点は、仕事のアトリエを併設した居住空間となります。仕事で使う道具や材料の最良の配置は重要です。
お施主さんは、仕事も含めたご自身の生活行動や習慣と、今まで拠点を移り住んだ試行錯誤の経験で、新しい拠点のシミュレーションを繰り返して設計打合せに対峙していました。
暮らしが始まったこの家は、生活用具、仕事道具、愛着のある物や本が、それぞれ在るべき所に納まった嬉しい光景となっていました。
住継ぐという改修計画は、住む人が改めてどうやって暮らすかを再構築する大切な機会だと思い至ります。今後もじっくり取り組みたいです。