所在地: 東京都 品川区
延床面積: 121.41㎡
錆利休の家
この住宅は山手線内の高輪台にある建坪13.5坪の3階建ての戸建て住宅である。敷地の両隣は住宅、背面は崖に囲まれていた。1階に駐車場を確保するため、2階がリビング、3階に水回りと個室の構成となっている。
ミニマルでありながら、色合い豊な柔らかい空間を求める施主の要望に対し、日本の伝統色の錆利休の色がそれらをひとつに紡いだ。この家にとって錆利休の色は人と人とを繋ぐ色として存在している。
錆利休の色を客人が通る導線(外壁、階段室の壁、キッチンカウンターの天板)に配され、客人が2階のリビングへ向かう手がかりとなる。
客人は玄関に入ると、外壁と同じ色で左官された階段の壁に誘われて、2階へ登っていく。階段室と同じキッチンカウンターの天板の色に導かれて座ると、錆利休とその補色であるブルーグレーのタイルが一面に広がり、黒ガラスやスチールのミニマルな要素と錆利休の色の調和の取れた空間が現れる。
ここは主人がカウンター前に立ち、もてなし、対話する、客人と特別な時間を過ごすための場所となっている。
客人には洗い出しの飛び石が、客人を道路から玄関、階段へと導き、内外を横断した那智黒石のラインが玄関の広がりを感じさせる。階段室の壁面が間接照明で照らされ、夜には錆利休の光がやわらかく家を灯してくれる。
所在地: 東京都 品川区
延床面積: 121.41㎡