作品紹介

この住宅は、少し山手に登った中腹の住宅地の中に建っています。
敷地は盛り土の造成により平坦に見えましたが敷地の2方は石積み擁壁を挟んで高低差があり、やや不安の残る敷地形状になっていました。施主様から頂いていたスキップフロアの要望を踏まえ、不安の残る擁壁側で建物を安定する地盤まで沈めつつ半地下を含める2層の木造住宅としています。


敷地は二方道路の様に見えますが、一方は敷地扱いになっています。そのため一見すると建蔽率オーバーな印象を受けますが、数値的には余裕を残した計画となっています。

施主様の始めのコンタクトはほとんど忘れかけていたぐらい前のことでした。
何の縁があったのか、改めて土地探しの段階からご相談を受けることになりました。土地が決まり、計画が始まった段階ですでに要望となるキーワードはどちらか云えば具体的になっていたと思います。ワンフロア的な住まい、スキップフロア、高い天井、陰影のある光、統一した内外装、流行りっぽく無いデザイン。ロックやテクノ系の音楽を趣味とされ、倉庫的でクラブハウスの様な住まいを計画の軸として進めています。

 

やや平行四辺形的ににひずんだ小さな敷地にそのまま建物平面をあてがい、単純な家型を建ち上げる事で自然に歪みを持ち、視覚的に変化のある立体となっています。長方形断面の柱を並べ、家型を組む登り梁と架構の連続感を内装に残す様にしています。スキップした床がロフトまで順に並び、部屋を区切る間仕切りは基本的にありません。唯一浴室を区切るガラスの扉があるだけとなった大空間です。半地下になった寝室から階段吹き抜けを見上げればほぼ3層分の高さがあります。その向こうに大きなトップライトを突き出す様に配し上昇感をさらに強調しています。

内外共にフレキシブルボード(セメント板)で長辺側を囲い、短辺の妻側は外部にガルバリウムサイディング・内部に構造合板で構成しています。キッチン、階段、手摺等のアイテムはスチールの素地感を残し、木地の棚類も素材感のあるものを選んでいます。WAON(和音)と名付けられたこの住まいは、現在親子3人の音色を表しますが、着飾るのでは無い「素の住まい」であってもらえればと願っています。

 

なお設備面では、3層吹き抜け一室空間のため上下に空気を循環させるようファンを設け、暖房に対しては蓄熱式暖房器を採用しています。

 

Photo:絹巻豊

作品データ

所在地: 兵庫県 西宮市

土地面積: 89.21㎡

延床面積: 67.96㎡

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