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連家 | 精米所を改修したリノベーションモデルハウス

作品紹介

連家<れんか>は旧朝倉町の中心地に建つ築70年の精米所を、現代のライフスタイルに合わせて改修し、リノベーションの魅力や可能性を伝えるために建てられた古民家リノベーションのモデルハウスである。
地域の人々に長年愛され生活を支えてきた精米所を、建物の歴史や魅力はそのままに、それらを最大限活かしたモダンな住まいへと改修した。

 

元々精米所であったこの建物は、精米を行う平屋と、主に倉庫として使われていた2階建ての建物がつながった形で構成されていた。
住宅としては規模が大きかったため、2階建て部分をモデルハウスとして改修し、平屋部分は+αスペースとして、地域の人々のコミュニティスペースやテナントスペースとなるよう設計した。

現在、日本各地で多くのモデルハウスが建てられているが、デザインが消費され、古びてしまうということから5年ほどで建て替えをするというモデルハウスも多い。そういった状況から、地域の人々に愛され、持続可能なモデルハウスのあり方を模索した結果、モデルハウス+αと相互に関係し合う持続可能なモデルハウスを目指した。

 

倉庫であった2階建ての建物は、間口が4軒あり大きな梁の架構により大スパンを飛ばしている構成となっていた。
その大きな梁がこの建物を構成している一番の特徴であると考え、改修後の住宅となる部分でもできる限りその梁をそのまま現して使い、インテリアの要素とすることを考えた。

建物の中心にエントランスを設け、半分をテナント(コミュニティスペース)、もう半分を住宅(モデルハウス)とし、土間が2つの空間を分断するような構成とした。
それぞれの空間には、その土間から天井の低い部分を通って、両端に吹き抜けの大空間を到達するリズミカルな空間体験となることを意図した。
また同時にその30cmほどある丸太の梁と調和するように、木目の強い合板や、大ぶりの家具、幅広なフローリングなどを用い、既存の荒々しい梁に対して、新築部分も調和させるような設計とした。

 

既存の柱に強度的に期待を持てなかったため、新たにコンクリートのベタ基礎を打設し、曳家の技術を使い傾いていた既存柱、梁のレベル調整を行った上でその横に沿わせるように新設の柱を設置した。既存の柱、梁を用いながら補強を行うことで、現行法規同等程度の耐震性能となっている。

 

Photo:山内 紀人

建築前の土地

リノベーション前

作品データ

所在地: 福岡県 朝倉市

土地面積: 632.28㎡

延床面積: 188.6㎡

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