■ 暁の家
作品紹介
本計画は歴史あるお寺の境内に立つ,庫裏の計画です.庫裏とは古くはお寺の台所,転じて住職やそのご家族がお住まいになる場所のことを差し,個人住宅ではなく,あくまでお寺の施設の一部という位置付けの建物になります.
ただ庫裏といえども,住職とそのご家族の生活が快適に保たれるようなプライバシーの確保と,住まいとしての機能を十分に果たすことが第一です.形式的な和風建築にすること自体には意味がなく,時代性も踏まえた現代の庫裏が求められると考えました.素材には華美なものはひとつもありませんが,現代の知恵と労力の結集としての庫裏は,地域や檀家の方にも広く受け入れられるものになると思います.