通り土間のある家　A邸｜建築設計事務所作品

佐野修建築設計事務所
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通り土間のある家　A邸

通り土間のある家　A邸

外観は，片流れの大屋根と切妻屋根の組み合わせが，和でありながらモダンなファサードを形成しています．軒先には１間の等間隔に柱が並び，軽快なリズムを与えつつ，軒下には深い影を落とし，精悍で落ち着いたたたずまいとなっております．
玄関から勝手口まで建物を一直線に貫通する土間は，建物内部に外部空間を挿入し，限られた住空間に大きな広がりを与えてくれます．
ダイニングに置かれた薪ストーブから，暖められた空気が吹抜けを上り，書斎を通って，２階全体を暖める空間構成となっております．　
　
現代の住宅では排除されがちな和室をあえて二間続きで配置しました．和室特有のフレキシブルな空間は，ある時は応接室に，ある時は来客の寝室に，ある時は宴の場にと，状況に応じて変化できる居室を確保しました．これによって，家族構成の変化にも柔軟に対応できます．また，趣味として，お茶やお花といった稽古事にも使用できるように配慮しました．

作品紹介

建物の内と外を分断するのではなく，内部に外部空間を取り込み，また反対に，外部に内部空間を押し広げ，境界をあいまいにすることで，季節の移ろいや自然を積極的に楽しめる住まいにしたいと思い計画しました．

シンプルなファサードですが，建物の高さや天井高，屋根勾配等には細心の注意を払って設計しております．風通しや太陽の位置などを計算し，窓の位置や形状を決め，部屋の大きさや間取り等にも細かなアイデアが盛り込まれており，過不足なく，居心地のよい住まいとなっております．奇抜なアイデアはありませんが，すべてがうまく調和するようにと心掛けました．春夏秋冬，それぞれの季節に適した快適な暮らしが出来，自然を身近に感じられる生活をイメージして設計しました．　　