所在地: 神奈川県
作品紹介
この住宅は海に近い平らな住宅地の一角に建つ。二間角平面の木造2階建て。フラットルーフでおさめた立方体ボリュームから寝室の出窓と階段の塔屋を突きだす。そこからアーチ状の玄関ポーチを切り取ったシンプルな構成である。
1階はおおらかに連続する天井の高いLDKスペースがあり、屋根付きのウッドデッキまで繋がる。キッチンは対面式のシンクカウンターと壁側のコンロカウンターに分け、パントリーを兼ねたワークコーナーを隣接させている。LDKは東側にキッチンの高窓と突き出し窓、南側にデッキの掃き出し窓、西側に上げ下げ窓、北側は階段越しのFIX窓があり、四方から自然光を採り入れることができる。日中を通して様々な光の状態をつくりだす。2階は2つの個室と将来2つに分ける予定の子供用の大部屋があるプライベイト階となっている。その北側に1階から屋上まで階段が貫通する。この階段は「風の塔」の役割をしていて、室内の自然換気を促している。屋上からは周囲の屋根越しに風景を遠く見渡すことができる。
外装は荒い表情の灰色の左官仕上げをベースとして、白い窓枠と玄関のアーチがアクセントとなっている。内装はウォールナットのヘリンボーン張りの床と白いチャフ塗装の壁と天井とする。白い釉薬のタイル、白く塗装したレンガタイルなどテククチャーの違いで表情に微妙な変化を与えている。シンプルながら少しだけアンティークな雰囲気も忍ばせている。