■ 桜並木を望む家
建設地は大船駅の東約1.5キロ、高度成長期に宅地開発され...作品紹介
建設地は世田谷千歳船橋駅からアプローチするT字路の正面に位置している。北側に7階建て集合住宅、西側3階建住宅、東側2階建住宅に囲まれた、間口7m・面積23坪の台形状敷地。
T字路正面にあたるファサードを、ダークグレイ外壁面、サーモウッド縦格子、レッドシダーパネリング軒天井、門型フレームを使ったコンポジションによってバランスを整える設計とした。ダークグレイ色は街に馴染みつつ個性的となるように施主と慎重に検討を重ねて選定した。縦格子やレッドシダーが経年変化しても背景となる色になったと思う。
ポーチから続く、玄関そして洗面室までを通り土間のような設えとして、バイクルームを含む1階のアクティビティに対応した。また地窓を多く設けて半屋外的な空間となるように意図した。明るく開放感のあるリビングダイニング空間の確保という課題に対して、3階にLDKをプランニングし天井高を3.4m確保することで実現することとした。1階フロアレベルを道路レベルに近づけるとともに階高を抑えることで3階リビングまでの距離感を縮め、ディスポーザーを設置しゴミ出し回数を削減するなど3階LDKのデメリットを最小化するように努めた。
リビングダイニングの天井に軒天井と同じレッドシダーを貼り、視線が自然と外へと向かうことを意図した。窓外に展開する逆T字に延びる街の景色と夕陽に染まる美しい空を眺め時の流れや自然を感じながら暮らせる家になればと願う。