所在地: 東京都
作品紹介
「水陸両用の家」
木場エリアは海抜がほぼ0m、古地図を見ると、敷地はかつて水路であったらしい。
3.6m×18mの敷地は、住宅を計画するにはあまりに間口が広く、あまりに奥行きが浅く無防備であった。まるで巨人がマッキーでキュッと線を引いたかのような土地。
そこで、1階は土木のようなRC造とし、少しでも地面を残すために歪な足で立たせた。
2、3階は少しでも対峙する視線を受け流すことを検討した結果、魚のエラを持ったような平面となった。立面は山型とすることで壁量の軽減を図り、断面は長手方向に回遊性を持つ形状としている。
こんな風に家族が特異な環境で快適に生活するために考えた小さな一つ一つの仕草が、結果的にユニークな「すがたかたち」を作り出した。
photo:西久保毅人