所在地: 東京都
作品紹介
小さな家族が、いつもつながっていられる様。
大きく軒を出したたたずまいの中に、 モルタル塗りの曲面の塔がある。
まわりに植えた樹木と家が絡み合っているようだ。
曲面が展開して、1階では路地空間を作りだし、塔の中の階段を登ると、2階では大きな馬蹄形のアーチを描く本棚にモチーフが転換される。
そんな曲面のデザインを幹に、 モルタル、スチール、木、タイル、色どり、、、と、 渡辺さんが好きな素材を散りばめた。
バラバラの素材を幹がつなぎ、最後に渡辺さんの生活とご主人の写真が散りばめられた。
大きな大きな幹を持つ大木が、 内に外にと様々な生き物のすみかになっていて、その全体がひとつであるように、大好きなモノ達と共に渡辺さん一家が住みついたこの家は、今ではいろんなものが切り離せない「ひとつ」になっていている。
奥様の笑い声は、いつも明るくキラキラと、家族を包む葉っぱのよう。
お父さんの工場の後に生えた大きな大きな木の幹に、娘が家族を連れて帰ってきた。
そんな物語。
photo:西久保毅人