■ 朝日の家1
敷地は閑静な住宅街に位置する。設計時のヒアリングを重ね、...作品紹介
敷地は都市計画区域外にあり、360度どこを見渡しても景色が良い。これ以上ない程恵まれた環境に建築をつくることは設計者にとって幸せなことではあるが、同時にその責任は重大である。設計次第で周辺環境や景観を破壊してしまうからだ。
しかし、建築をつくる以上どんなに景観に配慮しても何らかのインパクトを与えてしまう。この景観の中で異物にならない建築を模索した。
試行錯誤を続けた結果、辿り着いた答えは「小屋」を造ること。畑に建っている農作業小屋や物置小屋はプリミティブな形を携え、驚くほど周辺環境によく馴染んでいる。
長方形の平面計画に片流れの屋根を乗せただけのシンプルな外観、経年変化していく杉板を外壁に採用し、可能な限り「小屋」に近づけた。低層の平屋建てとしたことも景観への配慮に他ならない。
内部空間は周辺の景色を取り込めるように配慮した。南面の屋根を跳ね上げたのも空と山を取り込むためである。