所在地: 奈良県
作品紹介
敷地は、法隆寺東院からほど近い、古い木造住宅の残る地域にあります。
施主は、この地域の古き良き伝統に寄り添いつつ、新しさを感じる家を希望していました。
建物は、母屋と離れの平屋2棟からなり、屋根は切妻の単純な形状としています。 建物の軸線は中宮寺鳩和殿に揃えて、ダイニングの南窓から正対して鳩和殿の屋根を見せています。 屋根は構造体がそのまま天井に現され、高いところでは4.4mの天井高となっていますが 窓の開口高さは1800mmまでにしぼって目線を低く庭へと誘導しています。
庭は、法隆寺や周辺の住宅にも見受けられる松を各所に配し、グレーの細かい砕石を敷いて色彩を抑えた外部空間としています。
街並みに馴染む意匠や素材を用いながらも、埋没しない新しい表現を目指しました。
photo:kazushi hirano