■ fuseika
計画地は3方が道路に面しており、自ずと周辺環境との関わり方...作品紹介
既存の鉄筋コンクリート造3階建ての建物の内部を全てスケルトンにし、2階の一部と3階の全てを住宅へとコンバージョンしている。
この場合、各階を繋ぐ床の開口部(つまり階段である)の位置をどこに設けるか、又どのように設けるかが重要な要素となる。この位置により、各階に繋がりが生まれるか、分断されるかが決まる。当然ながら、既存躯体という高いハードルもある。
そこで今回は、本棚階段という螺旋状の階段を入れ、階段という上下を行き来する空間に図書室という要素を加え、上下階の間の「間」を作ってみた。これにより、階段は単に上り下りする場所では無くなり、立ち止まる場所となる。
途中で座って本を読んだりすることで、各階の延長線上に存在する場所となることで、上下階の繋がりを意識した住宅である。
photo:絹巻豊