■ 竪の家
必要最小寸法の検証と快適性の実証 この住宅は佐々...作品紹介
街路を拡張する庭と
光を取り込む高窓
住宅地の風景|
敷地は日本国内どこにでもある住宅地の一角にある。以前森林であった風景は宅地造成され住宅地と化し、数十年のあいだに経年劣化した街並みとなってしまっている。そのような住宅地において近年建替えが進んでおり、この状況を好機と捉え未来に向けた住宅地のあり方について提案を行なった。
街並みとしての庭|
敷地は角地で2面道路に接していた。そこで街路と建物の干渉スペースを確保するため、敷地奥に建物を配置し、道路境界に塀は設けず敷地全体に植栽を施し街路に向けて庭を開放した。植栽は造園直前まで山に転がっていた川石や山桜などを用いて宅地造成前の風景に近づけることにした。一軒の住宅における建物配置と造園計画によって街並みにゆとりが生まれ、街路が拡張し、小さな森が再生したような風景となった。
敷地特性|
敷地は角地であることに加え南垂れの緩やかな傾斜地となっていたため近隣住居上部に空が見渡せた。また一日を通じて敷地に陽が射していた。住宅密集地において恵まれたこれらの敷地状況に対して、空への視界の広がりと自然光の路(光路)に沿った陽のうつろいを内部に反映することが、この場所で住宅を作るうえで手掛かりになると考えた。