作品紹介

フランス北部の片田舎。古いレンガ造の町並みが歴史を語っています。そのレンガ造の長屋を"自宅兼ゲストハウス”として使用しているオーナーの依頼です。

既に別の2室の改修を終え、最後のひと部屋だったので、それらのプランの影響が少なからずありました。そのことを考慮しつつ、日本的感覚をプランに組み込みました。

週末は何かと友人を招くことが多いお国柄。プライベートな空間を2層目に集約させ、1層目をパブリックな要素の多い、キッチン・ダイニング・リビングとしました。そしてキッチン&ダイニングは、外履きのままでも使用出来るようタイル貼りとし、リビングは「履き物を脱ぐ」という日本的な要素を取り込み、一段上げた空間としました。

日本ではなかなか見られない「大きな吹き抜けのLOFT空間」の良い点を出来るだけ崩さぬよう配慮し、2層目の形状を計画。

フランス北地区という”年間を通して曇りや雨の多い”この地域を考慮し、フロア2つ分の窓から、リビングやダイニング、そして主寝室など、この大きな空間にやさしくも力強い太陽の恵みを与えてくれます。

このプロジェクトは私の設計活動における初めての作品であり、図面作成だけでなく、大工職人のオーナーやそのご家族と共にゼロから造り上げました。日本とは違い、欧州では家族や親友と一緒にワイワイ工事を行うのが一般的。そんな違いを肌で感じた大変興味深かった思い出の物件です。

 

photo:朴の木写真室

作品データ

延床面積: 83.1㎡

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