所在地: 神奈川県 鎌倉市
作品紹介
都心に住む建主が、いずれは古都に移住することを視野に入れた別荘として母屋の計画が始まり、縁あって隣地を購入し、数寄屋の離れも建てることになった案件で、日本の伝統的な建築文化を未来に残したいという建主の強い想いから生まれたプロジェクトである。
私は、伝統的な木造建築における外部空間と内部空間の調和のあり方に注目してきたが、そこには自然と建築が互いを引き立て合うことで両者がより美しく見えるからである。このプロジェクトでも母屋と離れ それぞれの視界に他方の建築をどう切り取るかに細心の注意を払った。
完成までに7年を要したが、棟梁以外は30代の若い数寄屋大工たちの細やかな技と心意気と共に創り上げた、日本の伝統建築と自然の織りなす美しい風景を見てもらえればと願っている。