■ HOUSE OF HOUSE
本計画地は明石市大蔵中町に位置して...作品紹介
本計画地である箕面市稲は、京都から神戸へと向かう国道171号線に沿う様に通る江戸時代における街道の1つ西国街道にほど近く、古くから人の往来が盛んな地域であり、とても由緒のある土地柄である。
北側には箕面連山をのぞみ春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪と四季折々の表情を見る事ができる。間口5.75m、奥行20m、道路から8m程度奥に入った所で約1.3mの高低差のある細長い敷地であった。
建物は敷地高低差を生かし、基礎を2.4m跳ね出しさらにスキップさせる事で、その下を駐輪・バイクスペースとして広さと高さを確保しつつ、室内も家族4人が生活するのに必要十分な空間となっている。
コンクリート基礎のダイナミックな跳ね出しと、その上の櫛引の外壁により一見すると鉄筋コンクリート造と見間違う外観となっている。
プランは将来、隣地建物が建った時にも十分な明るさを確保出来るよう吹抜け空間に、壁跳ね出しのストリップ階段、上部に大型のトップライトを設ける事で、明るい陽射しが1階まで降り注ぐ空間構成とした。階段の下にはガラス1枚を挟んで外部と繋がる水盤を設ける事で、降り注ぐ光のリフレクターとして、時のうつろいと、光・風のゆらぎを壁や天井に映し出す。
2階浴室はテラスと引戸により一つながりの空間とし、花壇の樹木を眺めながら湯船につかる事ができるプライベート空間となった。さらに2階から階段を登り、開閉式のトップライトを開けると一気に広がる空の広さに一瞬息を飲む。空と四季折々の箕面連山だけを切り取るこだわりの屋上である。ソファに腰を掛けお酒を傾けながら、エタノール暖炉の炎と自分達だけの絵画の様な景色を眺めながらゆったりと流れる時間を家族皆で楽しんで頂きたい。