■ HOUSE OF HOUSE
本計画地は明石市大蔵中町に位置して...作品紹介
太古より開け緑豊かな田園地帯だったこの地域は、20世紀初頭にまずはリゾート地として開発され、その後大正9年の神戸線開通及び夙川駅開業の頃に農村地区から分離し、もともと起状に富んだ景勝地だったこの土地の魅力を活かした高級住宅地・夙川区へと発展していった。
この地域に多いドイツ壁の外壁に、寄り添うようにファサードのヤマボウシとコウチワカエデが植えられている。
H銅で大スパンを飛ばしたガレージが奥行き感を与え、その先の伊勢ごろ太による石積みの壁と合わせ、住人と来客を迎え入れるしつらえとなっている。
なお、大スパンを飛ばし柱を無くしたガレージは車の出入りもしやすく、塀を設けないことで全面道路と共有し広場的空間となった。
敷地は三方を宅地に囲まれているものの、道路側と、高低差のある隣地へ向けて見通しがきくため、各部屋の開口はそちらへ設けた。
ファサードと裏手の特徴的な三角窓は、室内から空へのアプローチとなる。
間取りは、3階の子供室とLDKをつなぐ窓、LDKに併設されたワークコーナーなど、家族のつながりを大切にしたプランとし、季節感を感じられるよう、家のどこからでも楽しめる中庭を設けた。
庭は遊び場として使える広さとし、意匠性とプライバシー確保のため植裁を設けた。
いつでも近くに感じられるご家族の存在と、随所に現れる自然の風景とこの建築とが一体となり、これからご家族が重ねられる、かけがえのない時間と思い出の一部となっていくだろう。