所在地: 東京都 台東区浅草橋
延床面積: 115.69㎡
施工会社: 山庄建設
浅草橋の建物が混み合ったエリアでの二世帯住宅の計画。4人家族となることを見越したご夫婦とご親戚の叔父さんのための長屋の計画です。
敷地は4.7m×9.3mの13坪。敷地内の一部は近隣住居の既存地下配管ルートとして使われ、基礎工事可能な範囲が限られ、1階で建築可能な範囲は3.8m×9.3mの広さは11坪となります。
建物の大きさは、予算の制約から逆算をして35坪と設定をしました。その上で35坪のボリュームをどのように配分するかの検討を行いました。
1、2階は道路側にスペースをあけ、南と西の隣地境界線ギリギリにボリュームを配置しました。基礎が作れない西側のスペースには、2階への屋外階段を設置しました。3、4階は道路側にボリュームを配置して、反対となる西側を空けることにしました。屋外階段の上でプラン上必要となるところに、3、4階のボリュームを張り出させました。
1階と2階の道路側半分を叔父さんの世帯に割り当てました。2階の反対側と3、4階をご夫婦の世帯に割り当てました。1、2階の二層吹き抜けの外部空間はおじさんの小さな庭となります。木製のフェンスで道路からの視線を遮ります。外観の写真では見えませんが、3、4階の道路反対側の外部空間は、ご夫婦のためのテラスとなります。
テラスを通り、引き違いのアルミサッシを使った玄関扉を開けて、1階に入ります。1階の突き当たりはトイレや浴室の水まわりとなっており、それ以外をワンルーム空間として使います。道路側のテラスと揃え1階の床はモルタルで仕上げています。階段で上がった先には6畳の部屋があり、寝室として使うことを想定しています。
屋外階段を使って、ご夫婦世帯の2階の玄関にアプローチします。2階にはトイレと浴室があります。3階に上がると17畳のスペースがあり、LDKとして使われています。屋外階段の上に張り出したスペースを使いキッチンを納めました。道路と反対側には2畳のバルコニーがあります。
この長屋を設計した頃は、ちょうどオリンピック施設の建設の影響で、建築コストが異常に上がった時期とでした。以前では100万/坪程度でできた仕様の計画ですが、最初の見積もりでは150万/坪を超える金額で出てきました。可能なところの仕様を落とし、なんとか130万/坪程度のコストまで抑え、建設することができました。
建主の希望はローコストでありながらもデザイン性に優れた建物をつくることでした。コスト調整で余計なものを削ぎ落とした中で、基本的な要素をしっかりと作り込むことでその期待に答えようと考えました。
ボリュームの配置や、開口部の配置やディテール、階段のディテールなど、必要とされるところをしっかりと考えて設計をした建物です。
所在地: 東京都 台東区浅草橋
延床面積: 115.69㎡
施工会社: 山庄建設