所在地: 東京都
土地面積: 70㎡
延床面積: 103㎡
土地の形状: 旗ざお地
住宅密集地の狭小住宅において"住空間の拡大"と"周囲との調和"という共に重要な課題でありながら相反する要素を両立させること、また狭小住宅において開放性を獲得することを目的とした住宅です。
周囲を中層マンションや住宅に囲まれた21坪の旗竿敷地に、二世帯分の住空間、住環境、開放性を確保するためには狭い敷地を有効に利用することが最も重要です。しかし、いわゆる居室としての内部空間の拡大だけでは、敷地境界から民法上の50cmの外壁後退により妙な隙間ができてしまうと共にその隙間が周辺環境を良好にしにくく、密集地では開放性に限界があり、かといってセットバックするだけでは住空間確保には限界があります。
我々は内部に対して外部よりは内部に近い半内部という領域を設定し、内部としての居室の外周に半内部を拡大することで、"住空間の拡大"と"周囲との調和"の両立を目論みました。
外壁を周辺との関係を踏まえて敷地境界線から50cmから2mまでセットバックさせ、セットバックさせた分だけ半内部領域を拡大させていくことにより開放性と住空間の拡大、および周辺環境の調和を目指しました。
2枚の直交するRC壁から内部、半内部へと住空間が拡大します。1階の寝室、水廻りは既存万年塀まで2重のガラス壁により拡大し、2階においてはリビング・ダイニング、キッチンを取り巻くグレーチングのテラスにより住空間が拡大します。テラスはステンレスメッシュに覆われており、プライベートを保ちつつ最大限の開放性を獲得し、光と風を周囲に提供するバッファーとして機能します。3階の寝室は2階に柱を落とさずそれ自体が梁としてRCからのキャンチとなっており、テラス上部の吹き抜けを介して下階、周囲と関係します。
半内部としてのテラスとその表皮は周囲に光と風と距離を提供する"靄(もや)"として成立し、"靄(もや)"の中で住環境は敷地一杯まで拡大します。
所在地: 東京都
土地面積: 70㎡
延床面積: 103㎡
土地の形状: 旗ざお地