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敷地は前面道路から2.5m程上がった高台の住宅地で、周囲は新旧の家々が立ち並ぶ地域に位置している。
施主からは高いプライバシーとセキュリティが確保できる外部に対して開口の少ない住宅が望まれ、その中でいかに敷地を最大限に利用しながら室内に光を取り入れるかを考えた。

建物は敷地に対し斜線制限をクリアする最大限のRC壁で囲い、その中に諸室を配置していくことで、高いプライバシーとセキュリティが確保できる構成としている。また、RC壁の中に配置される諸室は、寝室のボリューム、リビングのスラブ、ダイニングキッチンのスラブに分かれて配置され、それによって出来る諸室との間には、立体的に構成される中庭やガラス屋根の吹き抜け、スラブ間の段差によって出来たガラス床を併せ持つことで、室内全体に光を取り込む明るく開放的な空間を作り出している。

地下の水廻りの空間は1階の中庭から立体的につながったドライエリアに面して配置され、中庭のグレーチングからの間接光を取り込む落ち着いた空間となっている。駐車場とエントランスに対しては、水廻りの間仕切り壁の欄間部分よりドライエリアからの光を取り入れると共に、LDKのスラブ間のガラス床からも内部へと光を取り入れている。

1階のLDKは内部に柱のないワンルームの空間としてRCの壁により囲われた中庭に面し、また、2階のボリュームとRC壁の間をガラス屋根で構成し空を取り込むことで、外部を取り込んだ開放的な空間を創り出している。

2階の寝室はボリューム内に配置することで、壁に囲われた落ち着きのある諸室となっている。LDKからはガラス屋根の下に配置したRC壁からの跳ね出し階段を通って、上階へ上がりボリューム内へとアクセスする。階段の踊り場部分は、周囲の住宅に影響しないことから外部にスリット窓を設け、眺望を室内に取り入れている。

最大限に囲われた壁の内部を構成する諸室の間を、外部と上方からの光を取り込むことで、高いプライバシーとセキュリティを確保しつつ、室内の全てに光と風が行き届く明るく開放的な住宅を実現している。