斜光のガレージハウス

  • 写真 / 酒井 広司(グレイトーンフォトグラフス)

作品紹介

札幌市内、幹線道路から山側に上った住宅街にこの敷地はあります。

必要室は敷地の建蔽率・容積率をMAXまで使用する必要があったことから、まず敷地に対しての最大ボリュームを法的に確保し、そこから用途に相応しいゾーンに配するという流れでプラン構成を検討しました。
構造は、敷地が山に向かって傾斜を持つ敷地であったことから、土を掘り込んで地階をRC造、1~2階部分を木造と決定。次に断熱が必要ない地階にガレージや収納、断熱性が必要な部分に居住部分として用途を配しました。

また、第一種低層住居専用地域であることから、3層の建築を行う場合に高さ制限ラインも慎重な検討が必要でした。
日影規制、北側斜線制限のラインから屋根傾斜ライン、最高高さが決定され、RC部分を地階とみなせる天井高さから地階の階高が決定され、残った高さ寸法の中で居住エリアの1~2階にとって快適な天井高さを割り振ることとしました。
敷地条件から得られる最大ボリューム、またご要望から読み取れるそれぞれの機能に対してふさわしい配置と高さ大きさのバランスをシビアに探りベストなポイントを探ることが設計の大きなポイントでした。

また、各用途の配置に当たってポイントであったのは光の採り入れ方に関してでした。
奥に長い敷地に対して道路が東側に接し、南側には隣家が近接する事から、ボリュームを配していく中で、1階外壁部分から日中の直射光を得ることが難しい事がわかりました。
そこで、2階の南側を、吹抜け・ホール・階段室を一直線に並べて連窓を設置することで、隣家の屋根越しに南の光を受け入れ拡散する水平ヴォイドとし、1階リビングをその斜光線上の階下に配置することとしてLDK空間に自然光が存分に巡る断面構成としました。
採光と合わせて敷地東側は道路越しの空や、街並み、朝の光を得ることができる事から、斜交させ東面させた大窓を各層に配置し、視線の抜けを感じられるポイントとしています。

クライアントは木材を扱う仕事をされていることから、梁材は無垢材を極力採用しそのまま現すことで、天井の多くを木質の温かさあるインテリアとしました。また内装材でも珍しいトドマツの無節材を羽目板とし採用するなど、各所で経年変化を楽しめる木質材を使用し、誇りを感じられる暖かい空間とすることを考えました。

作品データ

所在地: 北海道 札幌市

延床面積: 165.48㎡

施工会社: 株式会社川端工務店

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