むすひ

作品紹介

 狭山湖にほど近い里山に建つ家具作家のアトリエ兼住宅。既存の母屋が手狭になったため、隣に離れを建てる計画です。
この建物で重視したことは、既存の母屋との良質な付き合い方。言い換えれば、調和しつつ主張する建物をつくることです。この関係を「夫婦」に見立て、母屋を「夫」、むすひを「妻」ととらえ設計しました。

 

 出しゃばらずに一歩引いて夫に寄り添う配置、夫より幾分低い屋根の高さ、大きな骨組みを猛々しく現した夫に対し、塗り壁の薄化粧を施して格子戸のベールを被った可憐な外観は、この家に嫁いで来た新婦の姿と考えました。
また母屋の前下がりの屋根形状を夫が新しいことに挑戦していく姿勢ととらえ、それに対するむすひの前上がりの屋根形状は、様々な困難をどんと受け止める妻の毅然とした態度を表しました。
さらに吹抜を囲む180mm角の4本の柱は、表には出さない妻の芯の強さを表現したものです。
むすひを生涯の伴侶として迎えた今後は、母屋と一緒に仲むつまじく、お互い引き立て合い、夫婦揃って歳を重ねていくことでしょう。

 

(撮影:黒住直臣)

作品データ

所在地: 埼玉県 所沢市

土地面積: 189.96㎡

延床面積: 100.14㎡

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