実家のリフォーム

作品紹介

 茨城県古河市の私(石嶋)の実家、木造2階建戸建住宅のフルリフォームの計画です。私が独立した頃、建替えの話しもあったのですが、建設費がおさまらず足踏みをしていたところ、2011年3月の東日本大震災で外壁や基礎等にクラックが入ったため、耐震補強も兼ねた全面リフォームに踏み切りました。

 

これまでの家は6畳の部屋が複数あるだけで大きな部屋がなかったため食事も各自別々で、家族のまとまりが希薄な家でした。これを今回のリフォームで改善したいというのが私の密かなコンセプトでした。常に家族がLDKにいて、わいわいガヤガヤ賑やかな家が私の理想の家でした。私は家の中心に24畳の大きなLDKを設けることで、帰宅した時、風呂に入る時、個室に行く時、どこへ行く時でもLDKを通過するような間取りをつくりました。

 

バリアフリー対策にも注意をはらいました。教科書通りにつくるのではなく、ヒアリングをし、実際にテストを行ってひとつずつ対策を決めていきました。廊下は狭い方が両手で手すりを持てるので身体を支えやすい、玄関は適度に段差があった方が靴が履きやすい等、セオリーからははずれている部分も多々ありますが、自分たちの障がいと住み心地を勘案して最高のかたちを導き出しました。なお、このリフォームにあたっては、茨城県の重度障害者(児)住宅リフォーム助成事業の助成金を利用しました。

 

 和瓦は下ろして軽いガルバリウム鋼板葺きとし、外壁は窯業系サイディングばりにしました。城好きの父が「烏城のようにしたい」という鶴の一声で外観は濃いグレイとなりました。ボリュームの変化はありませんが、吹抜上部に設置した大きなはめ殺しの窓が立面にアクセントを与え、遠くからでも視認できる住宅となりました。

作品データ

所在地: 茨城県 古河市

延床面積: 105.17㎡

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