右京の家 House in Ukyo

作品紹介

- 閑静な住宅街に馴染むたたずまい
計画された建築が、クライアント及び近隣住民にとって、双方に好ましい建ち方であることが地域環境をより良好なものにすると考えました。
隣地からの空きを十分確保し、建物のボリュームを低くおさえ、敷地の形状に合わせた伸びやかな平面形状とし、既存地盤面の穏やかな高低差に沿って床レベルを設定し、敷地の地盤面と屋内床レベルの関係を重視した計画としています。外部空間は緑化され、1年を通して様々な花や果実を楽しめます。また外装に無垢の木材を多用し、柔らかい印象を与えつつ森林環境維持について一助となることを考えたいと思いました。
 
 
- 気候に適応した計画と、7つの外部空間
夏涼しく、冬は暖かく快適に過ごせることが大切であると考えています。京都特有の高温多湿の夏期に適応させる為に、庭と建物の構成について、書院、離宮、寝殿造や、寺院の方丈と方丈庭園などの、京都の気候と文化に適応して行く過程で生まれた伝統的な平面形式を参照しました。いずれも庭と一体となった空間を持っています。今回計画した7種類の性格の異なる外部空間(庭)には、55種類の草木が植えられており1年を通して様々な花が咲き、実を結び、紅葉を楽しめるような季節感溢れる計画を目指しました。庭の性格はそれぞれに対面する内部空間の性格とリンクしており、豊かな空間をつくり出しています。
高い断熱性能と、消費エネルギーの低い設備機器(家庭用コージェネレーションシステム等)、深い軒下空間、日光の制御装置としての引込式ガラリ戸を主要な室の窓に設け、総合的にエネルギー消費量をおさえ、通風の確保と屋内への日射量のコントロールが同時に出来る計画とし、季節を問わず快適に過ごすことが出来きます。
 
 
- 寸法、プロポーション、素材を大切にした上質な家具
住宅には家の核となるような、居心地の良い空間が必要だと考えています。その空間の中心に置かれる大きなダイニングテーブルとベンチを家具作家とコラボレートして設計、製作しました。また、セカンドリビングには静かに落ち着いて本を読むことの出来るソファを空間に合わせて設計しました。周辺環境に馴染んだ豊かな空間を楽しむ為には、躯体としての建築だけでなく、安心して落ち着ける、ヒューマンスケールにおける空間体験を与える家具を大切に設計したいと考えています。
 
 
 
主要用途 / 住宅
規模 / 地上2階
主体構造 / 木造軸組工法
写真 / 沼田俊之
 
 
第4回京都建築賞 入選
平成28年度日事連建築賞 奨励賞
京都デザイン賞2016 入選

作品データ

所在地: 京都府 京都市

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