上水沿いの家

作品紹介

自然環境豊かな玉川上水沿いに計画した職住一体となる小さな住宅です。

散歩やランニングなどで1日中人通りが多い上水沿い緑道からの視線を遮断しながらも、自然環境との繋がりを感じられる落ち着きのある内部空間にしたい。

相反する2つの要件。開きながら私性を保つにはどうすべきか、都市部の厳しい条件下での住宅設計において毎度頭を悩ませられる問題です。

そこで大きな一室空間の中に高さが異なる3つの床(土間・LDK・小上り)を設定しそれらをスキップフロアで構成することで夫婦それぞれの仕事の居場所とプライベートの居場所に見えない境界線をつくりました。休憩時間には土間に下りてきて空を眺めながら夫婦一緒にコーヒーを飲んでみたり。繋がっているけれど、仕事の居場所はちょっとだけ離れている。ほどよい距離感がいい感じ。

 外壁から連続する杉下見板張りの塀は外部から明確に守られた内庭をつくり出し、掃き出し窓を介して天井の高い内部の土間と視覚的に繋がり内外の連続性を強調しています。

土間から半階持ち上がったLDKからは眼下に土間と板塀で囲われた内庭を見下ろすことになり、これにより外部からの視線をほどよく遮断しながらも電線などの人工物が目に入らない上水沿いの自然への視線の抜けを獲得しています。

 周辺環境との関係性を丁寧に読み取りながら狙いを絞り込み積極的に外へと開くことで建築面積わずか45㎡(約13.6坪)ではあるが数字では表せない広がりのある豊かな居住空間を確保することに成功しています。

作品データ

所在地: 東京都 小平市

土地面積: 100㎡

延床面積: 89.09㎡

土地の形状: 平地

建物価格: 2000~2999万円

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