所在地: 東京都 杉並区
作品紹介
1.既存建物の切断・敷地分割による建替え
周囲に豊かな緑が残る閑静な住宅地にN邸はあります。200坪を超える広い敷地にオーナー住宅とメゾネット型賃貸住宅が一体になっていた既存建物のオーナー住宅部分を切断・解体して別棟として専用住宅を建替えました。建築基準法上ふたつの敷地に分けて申請し、将来的な相続等にも柔軟に対応できるように配慮しました。風致地区に指定されている緑豊かな街並み景観を維持するためにも道路沿いにある大きな松の木はそのまま残しました。松の木の奥に板張りの外壁が垣間見える景観が印象的です。
2.ナチュラルスタイルでゆったり暮らす
N様ご家族の最大のこだわりは大きな吹き抜けと薪ストーブと長さ3mの大テーブルです。家族と犬と猫がなんとなく集まりつつもそれぞれに思い思いの時間を過ごす・・・そんなのんびりした暮らしが展開するナチュラルな空間を目指しました。室内はサンドイエローの珪藻土壁とオークのフローリングとウォルナット調の柱梁の組み合わせでナチュラルな雰囲気を演出しています。また外壁にはウェスタンレッドシダーの木サイディングを採用し、まきストーブの煙突と相まって、外観もナチュラルな雰囲気を醸し出しています。
3.採光・眺望・プライバシー確保の仕掛け
切断前の建物は緑に覆われた庭を囲むL字型の配置でしたが、将来の敷地分割を想定した今回の建替えでは南北2列の配置になりました。その結果オーナー住宅は南側隣地にこれまでに以上に近づいてしまうハンディーを抱えましたが、この問題を解消し室内に十分な採光を確保し、かつ南側の住宅との視線の交錯をなくし、さらに南東に広がる都立公園への眺望を得る方策として、建物の南東角を斜めにカットした台形平面として南側隣地から45度振れた南東面に大きな開口を設け、さらにその上部を吹き抜けにすることで、快適な採光・眺望環境を確保しました。
4.仲間が集う屋外テラス
アプローチと連続したタイル貼りの広いテラスは近所に住むご主人様の幼なじみや奥様の犬友達が気軽に立ち寄れ、週末はここで乾杯という仕掛けになっています。