所在地: 愛知県 名古屋市
延床面積: 70㎡
【新築工事】
愛知県名古屋市南区で住宅の設計依頼を受けた。当該敷地は、隣地に築造する3m程の擁壁と接しており、敷地面積は100㎡に満たない崖条例の適用地域。
崖条例の一般的な解決策としては、隣地擁壁付近に待ち受け擁壁を築造し、隣地の擁壁が倒壊しても、建物に支障のない様にする方法が良く見受けられます。しかし今回の設計条件として、ローコストの設計を求められていた為、待ち受け擁壁を築造する予算はありません。
そのことから、新築する建物を極力隣地擁壁から離した場所に配置し、既存擁壁が崩れる角度の高さまで建築の基礎と一体になった、高さ1m程の待ち受け擁壁を計画。
その外部環境の影響を、海面に波が伝わる様なイメージで建築の要素として取り入れることが出来ないかと考えたことが、設計の始まりです。
隣地擁壁→高基礎→ソファー・畳スペース→階段・ダイニングテーブル→トイレ・キッチン
このように用途や空間造形が連鎖することで、住空間が造り出されています。高基礎が室内に表れるところの高さに腰かけるスペースを施し、その流れで動作と繋がる場所やスペースを連鎖させることで、それぞれの個性のある居場所でありながら、コンパクトな纏まりを造り出す事が出来ました。
周辺環境の文脈を読み取り、その要素をカタチとして表現。環境から来る要素を、造形的なモノの成り立ちで空間を造ることが表現出来たと感じています。
■Photo:Studio Ba-Tsu
所在地: 愛知県 名古屋市
延床面積: 70㎡