所在地: 京都府 京都市
延床面積: 128.47㎡
リノベーション
嵯峨大覚寺の門前、和風の落ち着いた住宅が立ち並ぶ穏やかな環境に建つ木造住宅のリノベーションです。
昔ながらの考え方で建てられていたこの家には、南側の日当たりの良い庭に面して普段は使われない座敷がある一方で、家族が日常生活の大半を過ごす居間・食堂は敷地の北側に置かれ、隣家との間にわずかに残された外部空間に接するのみでした。
ここではこの場所を「開放的な内部空間」として積極的に捉え直すことで、居間・食堂にこれまでなかった広がりを与え、より多様な居場所や使い方が提案できるのではないかと考えました。
<考えたこと>
■ウッドデッキ、板塀、木製ルーバーに囲まれた半屋内空間
具体的には、室内とレベルを揃えたウッドデッキ、既存のブロック塀を隠す板塀、北側の隣家2階とお互いに見合うことがないように視線を制御する木製ルーバーという3つの建築的要素で「床・壁・天井」を構成することで、半ば内部空間にいるかのように包まれた雰囲気をつくり出しています。
■アウトドアリビングとしての坪庭
このようにしてできあがったこの空間は、その場に身を置いたときには新たに付加された「部屋」のようであり、同時に居間・食堂から眺めれば光と風を取り込み、少しの緑も楽しめる「庭」のようにも感じられます。
この両義的な意味合いを持った小さな空間が、現代の京都の住まいにおける新しい「坪庭」のひとつのモデルとなるのではないかと思っています。
所在地: 京都府 京都市
延床面積: 128.47㎡