国産家具のメーカーで、北海道原産の木にこだわって作っている気の利いたデザインの家具が揃っている。リーズナブルとは言わないが、このクラスのデザイン家具にしてはそれなりのコスパだと感じる。家具にこだわりたい・木製の家具が好き・・・でもコストは少し押さえたいと思っている人にはぜひ一度見に行ってほしい家具メーカーです。
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1968年の創業以来、50年以上にわたって旭川で家具づくりを続けるカンディハウス。目指すのは「100年かけて育った木を100年使える家具にする」こと。地元・北海道産のタモ材やナラ材などを積極的に使い、長く愛用できる家具の魅力を世界に向けて発信しています。
家具製作には約170人もの職人がかかわるほか、先進のテクノロジーも駆使。たとえばベストセラーの「WING LUX」シリーズは、人の手だけでは量産が難しい複雑なデザインを、最新の3D加工技術も活用し実現しています。
独特の曲線の連なりをもつチェアは、木部のなめらかな手触り、身体になじむ快適な座り心地、座面をカバーリングできる機能性などを併せ持つバランスのよさが魅力。最先端加工機を採り入れることで生産効率が上がり、価格を抑えられるというメリットもあり、人気を独走しているのもうなずけます。
旭川を目指すデザイナーが世界中に
カンディハウスでは日本をはじめ、ドイツやイタリア、北欧など各国で活躍するデザイナーを起用。それぞれ背景は違っても、どことなく和の美意識を感じさせるデザインや緻密な造りという共通したテーマをもっています。
デザイナーの中には3年に1度開かれる「国際家具デザインコンペティション旭川」の入選者も。このコンペは「国際家具デザインフェア旭川(IFDA)」の中核をなすイベントで、世界各地から応募が集まり、最終審査の試作品製作を旭川の職人が担います。中には製品化されるものもあり、そこから新しいデザインに対する技術の挑戦が生まれ、デザイナーと職人がともに育つ機会に。1990年のスタートから30年、旭川ではつねに未来の家具づくりを見据えた活動が続いています。
一脚の椅子に秘められた、人づくりへの思い
1970年代からロングセラーを誇る「ルントオム」。この椅子を生み出したスウェーデンのデザイナー、スチウレ・エング氏から「製品のロイヤリティーを人材育成に役立ててほしい」と申し出があったことをきっかけに、2015年に「人づくり一本木基金」が設立されました。
この基金で行われているのは、ものづくりを目指す人たちへの支援。北海道在住者・出身者の中から修学が難しい人を募り、奨学金を支給したり、海外での研修費用を助成したりしています。こうした活動はカンディハウス創業者の長原實氏が標榜していた「ものづくりは人づくり」の一環。将来のマイスターを育てるために尽力する姿勢が表れています。
ショップを訪れる半数は住宅のプロ
カンディハウスのショップは全国に14カ所。関東では東京・表参道と横浜・みなとみらいにあります。ビジターの半数は一般ユーザーですが、残りの半数は住宅のプロ。設計事務所の建築士やハウスメーカーのコーディネーターなどが、お施主さまと一緒に訪れるケースが多いといいます。
プロに支持される大きな理由は、空間への柔軟な対応力。住宅に合わせて家具の色やサイズを変更・オーダーできる、テーブルの高さを調整できるなど、要望にきめ細かく応えています。カンディハウスのシステムファニチャーを基にリフォームが計画されるケースも。デザイン性や機能性にすぐれた壁面収納が、こだわりのあるお施主さまへの設計提案に貢献しています。
【ここの木の家具、北海道プロジェクト】私たちが住む北海道の木で、私たちの家具をつくる
エー・エム・エーデザイン建築設計事務所
朝倉元・朝倉美穂
国産家具のメーカーで、北海道原産の木にこだわって作っている気の利いたデザインの家具が揃っている。リーズナブルとは言わないが、このクラスのデザイン家具にしてはそれなりのコスパだと感じる。家具にこだわりたい・木製の家具が好き・・・でもコストは少し押さえたいと思っている人にはぜひ一度見に行ってほしい家具メーカーです。
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松岡淳建築設計事務所
松岡淳
どのような家具を置くかによって空間の印象は全く変わるので、住宅において家具選びは非常に重要です。
以前、リビングダイニングを中心に据えた住宅の設計依頼を受けた際に家具のご相談を持ち掛けたのがカンディハウスでした。本来であれば機能的に兼ねることができないラウンジチェアとダイニングチェアですが、セミオーダーで対応してもらい、食事にも適した多目的なラウンジチェアを作ってもらいました。
カンディハウスは機能性だけでなく、デザイン性や技術も兼ね備えた信頼できるメーカーです。
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