昨今のキッチンは住宅の中心と言ってもいい存在。ここにいながらリビングや子供室などに目配りする必要がありますし、家事動線のハブでもある。住まい全体と密接につながっているのがキッチンなのです。水谷さんは施主の希望はもちろん、建築家の意図も把握した上で、どういうキッチンにすることが素晴らしい住まいにつながるのかを徹底的に考えて提案してくれるので、建築家にとって貴重なパートナーなのです。 施主の要望を汲み取った上で、合理的で使いやすく、それでいて華のあるキッチンはいつ見ても素晴らしい!
▶NAP建築設計事務所はコチラ
-
キッチン
-
家具・インテリア
-
家電
-
建設資材
-
水回り製品
-
照明
-
建具・窓回り
-
パーツ
-
自然素材
-
空調/換気
-
DIY
-
エクステリア/造園・庭
-
防災・防犯
-
匠/プロのアドバイス
-
お家で楽しむ
-
イベント
-
その他
【キッチンプランナー|水谷洋子さん】想いを引き出す達人
建築家など多くのプロから「キッチンプランニングを任せるならこの人」と名前が挙がるのが、今回ご紹介するリネアタラーラ・チーフプランナーの水谷洋子さんです。
学生時代に美術を学んだ水谷さんが、新卒で就職した大手キッチンメーカーの設計職からフルオーダーに対応するキッチンプランナーになったのは、「お客様と接する機会が少ないことに加えて『本当はこうしてあげたい』と思っても規格があって出来ないことが多く、もどかしさを感じていた」からです。
建築家が手がける住宅のキッチンプランニングをすることが多い水谷さんは「住まいもキッチンも、施主さんの想いを本当に実現するには、細部まで作り込めるフルオーダーに行きつく」と考えています。
例えば、システムキッチンは幅15cmの倍数で規格されているので、スパイスラックと言えば、どのメーカーも申し合わせたように最小幅の15cm幅になりますが「これを18cmにしてあげることで、大き目のサラダオイルなどもきちんと納まり、調味料が全て同じボックスに入れられます。ほんの少し工夫した対応をすることで、使い勝手や作業効率が断然変わってくることって意外と多いんですよ」
どの世界でもプロとして一目置かれる人は、経験的に「神は細部に宿る」ことを知り、それを実践しているのです。
お客様に最適なキッチンをめざして
施主の家族構成や所有している食器に家電・生活スタイルなどを徹底的にヒアリングし、建築家の設計意図やインテリア計画全体にも目配りしつつプランニングを進める一方で、「お客様のためになる」と思ったことは、臆せずご提案するのが水谷さん。
「ホームパーティをしたい」とか「家族全員で料理をしたい」といったご要望があっても、よくよく伺ってみると実際は年に数回だけのことも多い。それならば、毎日利用する奥様の使い勝手や動線を最適にするプランニングを提案してあげた方がいいし、食洗機やオーブンなどの機器も、お持ちの食器や食習慣を伺うことで「ご希望とは異なる機種をご提案することもあります」
何よりも「施主と設計者・キッチンプランナー、三者が協力して最高のキッチンを創りましょう」という基本姿勢は不変でなければならないし、そういう姿勢を持ち続けてきたからこそ「数多くのキッチンを手がけてきましたが、お引渡しの際に『思っていたものと違う』と言われたことはないんです」という言葉につながっているのです。
キッチンが「家族」を創ることもある
最近のキッチンはリビングと一体となり、見映えのいい一枚板のカウンターでデザイン性をアピールするものが増えています。
しかし「一枚板のカウンターは一見格好いいですが、調理中に水や食材が広がり、そこで子供が勉強する訳にもいきません。ところが、リビング側に一段高くなったカウンターをつけてあげると、調理作業をしているお母さんを覗き込みながら子供が宿題をしたり、ご主人がビール片手にカウンター越しに会話してくるなど、キッチンが家族の集まる場所になるんです」
「キッチンプランニングによってご家族の団欒が生まれ、絆が深まることも決して珍しいことではなく、そういう幸せをお届けできるのがこの仕事の魅力ですね」
1000件を超えるキッチンを手がけてきた経験と実績から生まれる言葉には、確かな説得力がありました。
キッチンプランナーは会話の達人だった!
水谷さんは常に笑顔を絶やさず、爽やかな話しぶりが魅力ですが、特筆すべきは質問上手なこと。
こちらの話に熱心に耳を傾けながら、的確な質問をすっと投げかけて頂けるので、ふと気づくと、取材で伺ったこちらが、いつの間にか夢中になっていろんな話をしているのです。
建築家などのプロ達が「水谷さんには施主の想いを引き出す才能がある」と一目置くのも、圧倒的な経験値や知識はもちろんのこと、笑顔を絶やさないた爽やかな話しぶりと共に、質問上手・聞き上手であるからこそ誰もが心を開くのだろうと思いました。
多くのプロが認める、キッチン界を代表するプランナーは、実は「会話の達人」でもあったのです。