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【快適な座り心地】ドムスチェア|世界的ロングセラー フィンランドを代表する国民的な椅子

Artek Tokyo
2020/04/27
家具・インテリアすべて イス

“寮に暮らす学生たちが、部屋で本を読むときに座る椅子”として開発されたという「ドムス チェア」。全体的に丸みがかったフォルムからは、どことなく懐かしさと暖かみを感じます。

 

特徴的な短いアームレスト、広くて少し窪んだ座面。実際に座ってみると、アームレストの上に両ひじが自然に収まり、ゆったりとリラックスした気分になります。心地良い姿勢が保たれるせいか、しばらく座っていても、違和感がまったくありません。

 

 

ドムス チェアは、第二次世界大戦後すぐの1946年、イルマリ・タピオヴァーラとその妻アンニッキによって手がけられました。

 

アメリカでは、通称「フィンチェア」とよばれ、開発当時よりフィンランドを代表する国民的な椅子として広く親しまれてきました。あらゆるシーン、シチュエーションに柔軟に対応することから、70年以上を経た今でも、学校をはじめ、病院や市民ホール、駅舎など、フィンランドの公共施設を中心に、人々の暮らしに寄り添うように使われています。

 

 

 

 

タピオヴァーラが目指したモダニズムと工芸の融合

イルマリ・タピオヴァーラといえば、建築家アルヴァ・アアルト(フィンランド)の影響を強く受け、建築家ル・コルビュジエ(スイス/フランス)に師事した経験もある、フィンランドの家具デザイナーです。

 

家具をデザインする中で常に、「持続的な生産体制により、高品質かつ適正な価格の家具を供給し、すべての人々の暮らしが豊かになるように」との想いを巡らしていたといいます。

 

タピオヴァーラは、モダニズムの概念を暮らしに根付かせるため、“デザイン”を発展させようとしたのです。

 

 

 

イルマリ・タピオヴァーラ(左) と アルヴァ・アアルト(右)

タピオヴァーラは第二次世界大戦の折、東部戦線へと駆り出されます。

 

困難な環境の中で兵士のための居住空間デザインを任され、「最小限のリソースで最大限のパフォーマンスをうむには、どうすればよいのか?」ということをこれまで以上に考えるようになっていったといいます。

 

戦地での試練が、タピオヴァーラの概念に大きく影響を与えたのでした。

 

 

そして迎えた終戦。敗戦国となったフィンランドに残されたのは、たくさんの白樺(バーチ)でした。彼はより良い暮らしを求める民衆のために、フィンランド国内のバーチ材を用いた量産可能な家具の開発に乗り出すのです。

 

 

 

 後まもなくして、ヘルシンキ市内に学生のための寮「ドムス アカデミカ」が建設されました。この学生寮の学生たちが長時間机に向かったときにも疲れにくく、なおかつ、学生寮に必要な用途に対応する多目的性を求めて、彼が製作したのが「ドムス チェア」。その想いが疲れ知らずの快適な座り心地をもたらしてくれます。

 

フィンランドにおいて、それまでのアアルトが二次元で木材を曲げる技術を追求したのに対し、タピオヴァーラは積層合板を三次元に曲げる技術を開発。椅子に座った際、体にちょうどよくフィットするようにと、積層合板にした座面をお尻の形に窪ませる一方で、椅子全体の重さを支えるフレームには強固な無垢材が使用されています。

 

 

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フィンランドの家具デザイナー、イルマリ・タピオヴァーラは元々「誰が」「何のために」使用する為の椅子としてドムスチェアを設計したのでしょうか?

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